不妊治療について。
といっても、不妊治療に関してはとても長くなってしまうので、何回かに分けて書きたいと思います。
まず、最初に不妊症というのは何か。
妊娠を希望し、継続的に性行為を行ったにもかかわらず、1年間 妊娠にいたらない場合を、不妊症といいます。
この1年間という期間に関しては、少し前までは2年間とされていました。
それが、定義の変更で1年間と短縮されたのです。
しかし、実際に診療をしていて、この1年とか2年とかいう定義はあまり関係なくて、患者さんが今すぐにでも子供が欲しい!と思ったら、もうその時点からいわゆる不妊検査を開始していくのでもいいのではないかと思っています。
そこで、不妊治療としてまず始めるのが、何か妊娠しづらい原因がないか、という一般的な検査。
血液検査をしてホルモン値に異常がないか、超音波をして子宮や卵巣に異常がないか、また、患者さん自身に基礎体温をつけてもらって、ちゃんと低温相と高温相にわかれているかどうかの確認、もちろん、ご主人の検査も必要です!!
不妊症の原因って、確率的にご主人にも半分くらい原因があるって言われていますから、ご主人の精液検査も、とても大事。そうやって、一通り検査をして、何か異常がみつかればそれぞれに対して治療をしていくことになります。
外来をしていて、よくいらっしゃるのが PCO という状態。日本語で言うと、
多のう胞性卵巣症候群と言います。
これは、卵巣の中に小さなランポウが沢山あって、結局どれも排卵できないってタイプです。
ランポウっていうのは、生理後に徐々に大きくなって、2週間ほどで破れて、中にある卵子をお腹の中に放出するものです。
PCOの患者さんは結構多い印象ですね。うまく排卵できないので、基礎体温をつけても何かガタガタしていていつ体温が上がったのかわからないのが特徴です。
もちろん、毎回絶対排卵しない訳ではないので、たまにポッと排卵して、そこで妊娠する方もいらっしゃいますが、基本的には排卵しづらいので、PCOと言われた方は、妊娠を考え始めたときに、早めに不妊治療を始める必要があります。